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2023年02月24日

【第三回】東京2020で感じた応援の力(東京2020オリンピック テコンドー競技 女子 -49kg 出場 山田美諭選手)

リオデジャネイロオリンピック目前での怪我から復帰して臨んだ第18回アジア競技大会。
この大会で、銅メダルを獲得したことで更なる高みを明確に心に刻んだ山田選手。
迎えた東京2020オリンピックでの経験談や、2026年に愛知・名古屋で開催される第20回アジア競技大会への思いをお話してくれました。


※写真撮影時のみマスクを外しています。

■テコンドー競技についての過去の記事
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interviewer
東京2020オリンピックに代表として選出された山田選手ですが、その時の心境を教えてください。

山田選手
オリンピック出場をかけた選考会では、自分が勝たなければいけないという覚悟はできていました。
私は、スーパーシード枠で最終選考会に出場したのですが、初戦がいきなり決勝戦という今までにない経験で、逆にやりづらさも感じました(笑い)
しかし、そこで勝って東京2020オリンピック出場を手に入れたときは、本当に嬉しかったです。
2016年リオデジャネイロオリンピックでは最終選考会の怪我で出場を逃していたので、「次こそは」という思いもありました。会場に応援に来ていた母と泣いて抱き合い、喜びましたよ!

interviewer
念願のオリンピック出場。東京2020オリンピックは、他の大会と違う点はありましたか?

山田選手
全て違うと感じるほど、オリンピックは特別でした!
一番印象に残っている違いはメディアの数です。テコンドーというマイナーな競技の会場が、メディアの方で埋まるというのがはじめて見る光景で、これだけ注目されているのだと驚きました。


 
interviewer
試合以外で印象的なことはありましたか?

山田選手
試合のスケジュールや減量期間もあり、自分の試合が終わるまで大会を楽しむ余裕が実はなかったんです(笑い)
選手村を出る前に1日だけ時間ができたので、せっかくだからと思い、選手村内の美容院で髪を切りました。
そこで担当してくださった美容師の方が、いろいろとお話をする中でテコンドーに興味を持ってくださり、今でも応援してくれています。こういったご縁もあり、ボランティアの方々との交流は大切な思い出となりました。

interviewer
やはり、ボランティアの方々の支えは大きかったのでしょうか?

山田選手
いろいろな場面で支えていただきました。
特に試合中は存在の大きさを実感しました。
東京2020オリンピックは無観客試合が決定しており、誰もいない静かな会場で試合をするのかなと想像していたため、実は少し緊張していました。
ところが、実際には多くのボランティアの方々が参加してくださり、試合が終わったら「お疲れ様!おめでとう!」と声を掛けてくださったので、大きなパワーとなりました。
また、応援をしてくれる方がいるという安心感があり、緊張が和らぎました。

競技によって会場での応援の仕方は変わると思いますが、テコンドーは大きな声援が飛び交います。やはり慣れた雰囲気で試合に挑めたことは、励みと後押しになりました。
大会を支えてくださる多くの方々の存在をとても身近に感じることができました。改めて振り返ってみても、ボランティアの方々には感謝の気持ちで一杯です。


 
interviewer
やはり、選手にとって応援がある試合は違いますか?

山田選手
応援がある、ないでは大きく違います!
どの選手もそうだと思いますが「頑張れ!」と言っていただけるだけでも嬉しいですし、パワーになります。私はどんどん応援していただきたいです!(笑い)

interviewer
2026年に第20回アジア競技大会が地元愛知・名古屋で開催されることの意義について率直なお気持ちをお聞かせください。

山田選手
私にとって、怪我を乗り越え、銅メダル獲得ができたのが、2018年にジャカルタで開催された第18回アジア競技大会でした。そんな思い入れのあるアジア競技大会が日本で、しかも地元の愛知・名古屋で開催されると決まったときはとても嬉しかったです。
今までスポーツに関わりがない方でも、大会を契機にスポーツの魅力に触れていただきたいです。

interviewer
皆さんにこれは経験してほしい楽しみ方などアドバイスはありますか。

山田選手
普段の生活で海外の方と交流する機会はあまりないと思います。例えば、大会のボランティアに参加し、海外の方と交流をする機会ができるといいですよね。

日本にリスペクトや興味を持って来てくれる海外の方も多いと思うので、ぜひコミュニケーションを取っていただきたいです。海外の方と接することで、日本の意外な一面を知ることができ、改めて地元が好きになると思います!

東京2020オリンピックは無観客でした。個人的には、世界トップクラスのアスリートが一堂に会する大会ですから、直接試合を観ていただきたかったです…。
ですから、アジア競技大会では実際に会場に足を運び競技を楽しんでいただきたいです。
試合はTVなどの映像で見るのと生で観戦するのとでは迫力も楽しみ方も違いますよ!


 
interviewer
選手としてアジア競技大会に期待することはありますか?

山田選手
地元の方にもっとテコンドーを知ってほしいです!
観戦に来てほしいですし、実際に見ていただければ、楽しんでいただける自信があります!
私自身、大会が開催される2026年をどのような立場で迎えるか、決めかねている部分もありますが、どのような立場でもテコンドーを広げていきたいです。
もし選手として参加できるのなら、地元だからこそ私の身近な方にも応援に来てもらえると嬉しいです。今年93歳の祖母も愛知・名古屋なら「観戦できるかな」という思いもあります!

interviewer
これからの目標・夢を教えてください!

山田選手
実は最近まで2024年のパリオリンピックを目指すのかどうかを悩み、なかなか踏み出すことができず、東京オリンピックが終わってから2022年7月までの1年間、テコンドーから離れて過ごしていました。
この期間は一切練習をせず、講演会などの活動をさせていただきました。そこで様々な方とお話をする機会があり、「想像より多くの方が試合を観て、応援していただいている」と感じることができました。
その方々のためにも、また選手として頑張りたいと決意し、2024年のパリオリンピック出場を目指していきます!

テコンドーから離れている期間が、私のターニングポイントになっているかもしれません。
復帰してから周りにも「すごく楽しそうだね」と言われるくらい、今一番テコンドーが楽しいです!
今思えば、テコンドーを続けたいという気持ちがあったからこそ、引退するか悩んでいたんだろうなと思います。本当に引退することを考えていたなら、悩む期間はいらないはずですからね(笑い)
続けるからには、子どもたちに夢を届けられるような選手となれるよう、まずは2024年のパリオリンピックを目標に挑戦していきます!


 

思い入れのあるアジア競技大会が2026年に地元の愛知・名古屋で開催されると決まったときはとても嬉しかったです。 今までスポーツに関わりがない方でも、大会を契機にスポーツの魅力に触れていただきたいです。






山田選手が取り組むテコンドー競技は個人種目。しかしながら、「支えてくれる多くの人々の後押しをパワーに変えている」と語ってくださった時の感謝に満ちた表情がとても印象的でした。山田選手の活躍は、私達にも夢や勇気を与えてくれます!これからも、声援を贈り続けたいと心から思います。

アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるように、そして大会が盛り上がり私達もアスリートから感動やパワーをもらえるように、「ここで、ひとつに。」なって、2026年の第20回アジア競技大会を迎えたいと改めて心に誓ったインタビューでした。


<第三回 完>


【第一回】テコンドー競技との出会い(東京2020オリンピック テコンドー競技 女子 -49kg 出場 山田美諭選手)
【第二回】怪我を乗り越えた、アジア競技大会でのメダル獲得(東京2020オリンピック テコンドー競技 女子 -49kg 出場 山田美諭選手)
「ここで、ひとつに。」インタビュー一覧