本文へジャンプします。

IMAGINE ONE ASIA

ここで、ひとつに。

  1. ホーム
  2. ここで、ひとつに。
  3. 【第三回】東京2020オリンピック、そして第20回アジア競技大会へ(東京2020オリンピック フェンシング男子エペ団体 金メダル 加納虹輝選手)

2022年12月16日

【第三回】東京2020オリンピック、そして第20回アジア競技大会へ(東京2020オリンピック フェンシング男子エペ団体 金メダル 加納虹輝選手)

東京2020オリンピック フェンシング男子エペ団体でゴールドメダリストの栄冠を勝ち取った加納虹輝(かのう こうき)選手。
3回シリーズでお送りするインタビューの最終回では、これまで培ってきた世界レベルの戦いで得たことや、将来どのようにフェンシングと関わりたいかについて伺いました。
また、ご自身のふるさと愛知県で開催される第20回アジア競技大会へも、率直なお気持ちを明かしてくださいました。


加納選手のインタビューに登場するフェンシングの用語について、過去の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてください!
■フェンシングについての過去の記事
Twitter(外部リンク)
Facebook(外部リンク)
Instagram(外部リンク)


※写真撮影時のみマスクを外しています。


 
interviewer
加納選手の国際大会や海外でのエピソードがあればご紹介ください。


加納選手
海外での経験と言えば、数年前に参加したコロンビアの国際大会後の経験です。
コロンビア遠征から合宿先のウクライナに向かう乗り継ぎでトラブルに巻き込まれてしまって!マイアミから乗り継ぎ予定の飛行機に乗り遅れた影響で、一週間も次の便が来るのを待っていたことがありました(笑い)


interviewer
一週間もですか!どうやって過ごしたのですか?


加納選手
今までにない経験でした(笑い)
当時のコーチが、そのことをネガティブにとらえずに一週間後の飛行機を待つことができました。
ホテルの施設で水泳やフィジカルトレーニングをしたり、ランニングやストレッチを取り入れた練習メニューでした。


interviewer
剣を握らない期間ができると、不安にはなりませんでしたか?


加納選手
みんな、剣の感覚は普段の練習を通じて身についているのでその点は平気だったようです。
むしろ、基礎体力づくりやリフレッシュができてコンディションが上がりました!


 
interviewer
東京2020オリンピックでの金メダルについてお聞かせください。
オリンピック日本代表に選出された時の心境はいかがでしたか?


加納選手
もちろん嬉しかったです。
でも半面、複雑な心境もありました…。
私が選ばれたという事は、選ばれなかった選手がいるということですよね。
日ごろから精いっぱい練習し合ってきた仲間同士として申し訳ないという気持ちもありました。
そのような中、多くの方から激励の声をかけてもらい、みるみる気持ちが切り替わったことで今までにない後押しで試合に臨むことができました。


interviewer
大会では、男子エペ団体戦で金メダル獲得という最高の結果を残されています。その時の感想をお聞かせください。


加納選手
正直言うと、その時はあまり実感がありませんでした。
ここが東京2020オリンピックであるということも忘れるぐらい、試合に集中していたのでしょうね。


 
interviewer
今から4年後の2026年、第20回アジア競技大会は愛知・名古屋で開催されます。そのアジア競技大会のことについてお話を伺います。
加納選手は2018年アジア競技大会で、エペ団体金メダル・個人銅メダルを獲得なさっています。その際の思い出やエピソードがあればお聞かせください。


加納選手
どの大会に参加していても同様なのですが、試合で結果を出せたのは嬉しいことです。
シニアの団体で金メダルを獲得したのは初めてでしたし、アジア最大級の大会で個人銅メダルを獲得できたのもこの大会が初めてでした。
アジア競技大会のステータスは極めて高いと考えていますし、その大会で結果を出せたことで自信も付きました。


interviewer
その他にも2018年アジア競技大会での思い出があればご紹介いただけますか?


加納選手
選手村が印象に残っています。選手村がある大きな大会を経験したのは、2017年のユニバーシアード以来2回目でした。
他競技の選手と集まる機会も貴重でしたが、いろいろな国の料理を味わうことができることも楽しかったです。「今日は中華にしようか、和食にしようか」と選んでいましたね!
選手はなかなか街に出る時間がないので、私は選手村を満喫していました。


 
interviewer
2026年に、第20回アジア競技大会が愛知・名古屋で開催されます。その意義について、加納選手の率直なお気持ちをお聞かせください。


加納選手
東京2020オリンピックに続いて、アジア競技大会が日本で開催されるのは非常に嬉しいことだと考えています。しかも、私のふるさと愛知県で開催されるわけですから、特別な思いを抱いています。
フェンサー(フェンシングのプレイヤー)としては、この大会を契機にフェンシング競技が盛り上がっていき、日本が元気になるような大会になって欲しいと願っています。


interviewer
私たちは、国内で開催されるアジア競技大会を、どのように楽しめばよいでしょうか?


加納選手
まず、いろいろな競技を楽しんでいただきたいです。
そして、試合会場に足を運んで、生で観戦して欲しいです!

例えば、フェンシングの会場は他競技と比べてもユニークな会場で試合を行います。
真っ暗な会場で、光の演出が施されている中、選手は試合に臨みます。
そこには、映像では感じることができない、独特な雰囲気と緊張感が生まれます。
さらに、会場全体が固唾をのんで選手を見守りますから、剣がぶつかる音やスピード感など、その場でなければ味わうことができない体験ができるはずです。


interviewer
選手として、第20回アジア競技大会へ挑むお気持ちは?


加納選手
私のふるさと愛知県で開催されるアジア競技大会ですから、もちろん特別な気持ちです。アジア競技大会は、世界レベルの国際大会なので、いかに結果を出すかはアスリートとして重要です。
この第20回アジア競技大会を目指すことは、直前の2024年パリオリンピックにもつながりますし、さらに2028年のオリンピックへも大きな影響を及ぼします。
そのような観点からも、全力で取り組みます。


interviewer
加納選手のこれからの目標・夢をお聞かせください。


加納選手
もちろん、世界選手権・オリンピック・アジア競技大会の各大会で、個人戦・団体戦いずれも金メダルを獲得することです!これが私の目標であり夢です。

さらに、フェンシングは比較的に競技人生が長いと言われているスポーツです。ですから、身体と精神が持つ限り、長く続けていきたいと思います。
例えば、70歳になっても仲間たちとフェンシングを楽しんでいけたらいいですね!
 

開催を契機に、フェンシング競技が盛り上がっていき、日本が元気になるようなアジア競技大会になって欲しいと願っています。





<お話を伺って>
すべての大会で全力を尽くす加納選手にとって、東京2020オリンピックもアジア競技大会も同じ一つの「試合」。このように、高校時代から大切にしていた「一日一日の積み重ね」が、加納選手の強さや急速な進化の源なのだと感じます。
一生フェンシングを楽しみたいと語った加納選手の笑顔は、きっと、少年のころにフェンシングと出会った時と同じ顔ではないでしょうか。
2026年の第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)で表彰台の中央に立つ加納選手を心待ちにしましょう!

<全三回 完>


【第一回】スポーツに親しんだ子どものころ、そしてフェンシングとの出会い(東京2020オリンピック フェンシング男子エペ団体 金メダル 加納虹輝選手)
【第二回】加納選手が語る、フェンシングの魅力(東京2020オリンピック フェンシング男子エペ団体 金メダル 加納虹輝選手)
「ここで、ひとつに。」インタビュー一覧