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  3. 【第一回】バドミントン競技との出会い(東京2020パラリンピック バドミントン 女子ダブルスSL3-SU5クラス 銅メダリスト 伊藤則子選手)

2023年03月20日

【第一回】バドミントン競技との出会い(東京2020パラリンピック バドミントン 女子ダブルスSL3-SU5クラス 銅メダリスト 伊藤則子選手)

2026年には、第5回アジアパラ競技大会も開催されます。
愛知・名古屋を舞台にパラアスリート達の熱戦が繰り広げられます。
今回は、東京2020パラリンピック/ダブルス銅メダル獲得を始め、数々の国際大会で大活躍中のバドミントン競技 伊藤則子選手にお話を伺います。
競技との出会いから、パラスポーツの移り変わり、そして地元開催されるアジアパラ競技大会への思いについて3回シリーズでお届けします。


※写真撮影時のみマスクを外しています。

 
interviewer
伊藤選手は愛知県名古屋市のご出身。子どもの頃の思い出を教えてください。

伊藤選手
矢田川の河川敷で遊んだり、学校の遠足や家族で小幡緑地に行った思い出があります。
子どもの頃はピアニストを目指していたので、小学校低学年から高校生までピアノを続けていました。書道教室にも小学校低学年から大学生まで通っていて、「教室を継いでほしい」と言われたこともあるんですよ(笑い)

interviewer
ピアノに習字、伊藤選手は多才ですね!

伊藤選手
スポーツ選手なので活発的なイメージがあると思いますが、当時の私は、スポーツは観る側で、やる側ではないという意識でした。身体のハンディキャップからスポーツに対して消極的だったのもあり、ピアノや習字を頑張りたいという気持ちでしたね。


 
interviewer
バドミントンと出会ったきっかけを教えてください。

伊藤選手
大学4年生の時、パラバドミントンの大会ボランティアをしていた大学職員の方に、「名古屋で大会があるから観に行ってみないか」と誘われたのがきっかけです。実際に試合を観て、「私にもできるかな」と思い大学のサークルでバドミントンを始めました。

当時はまだ障がいを持っている人が「スポーツをやろう」と思っても、出来る場所が少なく、取り組む機会がほとんどありませんでした。パラバドミントンの競技人口も非常に少なかったと思います。
実際にバドミントンをプレーしてみて「自分にもできる」「面白い」という気持ちが芽生えたので、あの時試合を観に行ったのは私の人生を大きく変えるきっかけとなりました。

interviewer
大学ではどのような事を学んでいましたか?

伊藤選手
社会福祉を学んでいました。
私は障がいがあったので、子どもの頃から周りの方々のサポートを受けて育ちました。
なので、今度は知識をつけて私が困っている方のために働こうと思い進学しました。
大学でバドミントンと生涯のパートナーとも出会えたので良かったと思います(笑い)


 
interviewer
パラバドミントンの魅力をお聞かせください。

伊藤選手
パラバドミントンは、障がいの程度によってクラスが分かれます。基本はシングルス、ダブルス、男女の混合ダブルスがあって、それぞれの面白さがあり、私は3種目とも出場経験があります。
私が出場するクラスでは、シングルスはコートの半面でプレーをするため、戦略とラリーが見どころです。
半面の方が動く範囲が狭いため、ポイントを取れる場所が狭くなります。
そのため、ラリー(シャトルの応酬)も続くようになり、試合時間も長くなることから、よりスタミナを使います。
ダブルスでは、組む選手とお互いにできないところをカバーし合い、役割をしっかり持ってプレーすることが大切です。私の場合はダブルスでもローテーションをしないため、試合中ずっと前衛を守ることになります。
私は「前を極めろ」と言われていますが、最初のころは前を狙ったスマッシュが怖かったです。
男女の混合ダブルスはダイナミックなプレーと迫力、そして男女だからこそ見られる連携プレーが見どころです。パラバドミントンは、クラスによって攻め方や見どころが違うので、その違いも魅力だと思います。

interviewer
クラスによって様々な楽しみ方ができそうですね。

伊藤選手
そうですね!実際に観ていただくと、迫力や楽しさが伝わってくると思います!


 
interviewer
様々なことにチャレンジしている伊藤選手。大変に思うことなどはありませんか?

伊藤選手
不安なことがあれば、私は人に相談をして、悩みを吐き出すようにしています!
そうすることで、ひとりで抱え込むことが無くなり、自分の気持ちを整理できます。
ナショナルチームのコーチや地元のコーチ、トレーナーの方など色々な方へ相談しています。

interviewer
ご家族に相談されることはありますか?

伊藤選手
パートナーには、バドミントンのプレーについてはあまり話さないです(笑い)
彼もバドミントンをしているのですが、私よりパラリンピックに対する思い入れが強いので、一緒に練習しているとケンカになったりします(笑い)
ですが、競技についても福祉についても理解があるため、とても心強い存在です。


 

私が競技を続けることができているのは、たくさんの方の支えがあるからです。その感謝の気持ちを持って、いろいろな方へ恩返しができればいいな、と思っています。






パラバドミントン独自のルールが、スポーツとしての見所や醍醐味を生み出していることを語ってくださった伊藤選手。
次回は、国際大会経験を積み重ねることで感じたことや東京2020パラリンピックの銅メダル獲得についてお話を伺います。


第二回 2023年3月24日(金曜日)掲載記事につづく>


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